お知らせ

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中皮腫やアスベスト肺がんなどの石綿疾患の発症と原因(ばく露状況調査報告書から)

公開日:2024年4月1日

独立行政法人環境再生保全機構が2024年3月28日付で、「石綿健康被害救済制度における平成18~令和4年度被認定者に関するばく露状況調査報告書について(お知らせ)」を発表しました。

調査は、平成18年度から令和4年度までの累計で、11,163人が対象となっています。疾患別では、中皮腫9,026人、肺がん1,897人、石綿肺39人、びまん性胸膜肥厚201人でした。

この調査から、製造業や建設業に従事されてきた方が多いことが確認できます。建設業においては、大工・電気工・配管工の順に多いことがわかります。

居住歴に基づいた調査では都道府県別では兵庫県、大阪府、東京都の順に多く、市町村別では尼崎市、大阪市、横浜市の順に多いことがわかります。

尼崎とクボタのアスベスト被害

兵庫県尼崎市には、かつて大手機械メーカーであるクボタの旧神崎工場があり、そこでは毒性の最も強い青石綿を用いた水道管が製造されていました。アスベストが工場内だけでなく、工場の外にも飛散し、工場から1キロ以上離れた距離に居住していた方々にも被害が発生しています。私たちが支援して労災認定された「石綿疾患死「次は俺かも」 兄が犠牲、東京の79歳 痛み、悔しさ訴え 尼崎で作業3カ月、60年後に発症(2023414日、神戸新聞)」の被災者もクボタ旧神崎工場で働いて中皮腫を発症した被害者でした。

労災で認定されていない補償・救済の実態

この調査報告書は申請者へのアンケートに基づいて集計されています。中皮腫の罹患者の約3割程度が救済制度の救済給付で認定されていますが、そもそも労災を請求せずに安易に救済制度に申請している実態があります。

労災保険制度と救済制度では、明らかな給付格差があり、その認識が無いままに労災制度への請求を検討していない被災者や遺族が多くいます。

とりわけ、建設業においては「自営業だった」という認識から労災は関係ないと思われる被災者もおられますが、若い頃に人に雇われて修業していた方や自営業のつもりでも仕事の実態からは「労働者」と思われる方も少なくありません。ご自身の誤った認識で労災請求を断念しているケースも少なくありません。

あまりにも少ないアスベスト肺がんの救済

本調査では中皮腫9,026人に対して、肺がんでは1,897人からしか回答が得られていません。この差は認定実績の割合にも比例しています。これは、石綿健康被害救済制度の判定基準に明らかな不合理がありながら、それを是正しない環境省の責任に帰結します。「【杜撰な肺がん判定基準】アスベスト(石綿)救済制度で不認定からの労災認定と建設アスベスト給付金制度申請へ」で示した事例が最たるものです。

石綿健康被害救済制度において救済給付の申請を検討されている方は、労災の可否について自己判断しないようにしてください。当会では、電話・メール・LINEで24時間365日相談を受け付けています。「何を相談してよいかわからない」「たぶん難しいと思っているけど」という方からの相談も多く受け付けてご支援しています。

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