中皮腫・アスベストの病気のこと

どんな病気になるの?なぜ病気になるの?

どんな病気になるの?なぜ病気になるの?

公開日:2022年2月25日

アスベスト(石綿)を吸ってしまったことによる代表的な病気には、悪性腫瘍である「中皮腫」「肺がん」、非悪性腫瘍である「石綿肺」「びまん性胸膜肥厚」「良性石綿胸水」があります。国際的には、「卵巣がん」や「喉頭がん」との関わりも指摘されています。

中皮腫は胸膜に発生することが最も多く、一部に腹膜、まれに心膜や精巣漿膜に発生します。

アスベストは自然の鉱物で人の髪の毛の直径よりも極めて細く、肉眼では見ることが出来ない繊維状のものです。そのため飛散しやすく、吸入されて人の肺に沈着します。この体内に滞留したアスベストが要因となって、10年から60年以上という長い潜伏期間を経て中皮腫や肺がんなどの病気を引き起こすことがあります。

それぞれの病気の発症には、アスベストを吸った量などによってもリスクは異なり、仕事で多く吸っても病気を発症しないこともあります。ただし、中皮腫は少ない量のアスベストを吸ってしまっただけでも発症してしまうことがあります。

 

参考・出典

全国労働安全衛生センター連絡会議 【速報】日本のアスベスト(石綿)死は毎年2万人超、世界第3位のアスベスト被害大国-最新の世界疾病負荷推計/2020年10月17日更新

鈴木敏夫(筑波大学医学医療系 臨床腫瘍学/腫瘍内科 専任講師)
鈴木敏夫(筑波大学医学医療系 臨床腫瘍学/腫瘍内科 専任講師)

中皮種の薬物治療は長らく進歩が見られていませんでしたが、ニボルマブ療法の承認、ニボルマブ+イピリムマブ療法の承認に端を発して、有望な臨床試験の結果が次々に報告されてきています。乳がんに対して本邦でも保険承認されているアベマシクリブ(CDK4/6阻害剤)を用いたp16ink4A陰性の中皮種患者さんに対する第2相試験(MiST2試験)の結果が2022年にLancet Oncology誌に報告され、今後の開発に期待が持てる内容でしたが、中皮種にもついに分子標的薬が参入してくるのかと喜ばしい気持ちになりました。希少がんであるが故に臨床試験の実施が困難となり得る領域ではありますが、創薬技術のみならず、ヒト検体を用いたオルガノイドなどでのpreclinical studyの確立が強く望まれる分野だと考えています。アスベスト吸入という発症リスクが同定されているため、疾患予防の観点から、遺伝子変異以外のアプローチでも病態解明の努力を継続することが必要なのは間違いありません。

【経歴】

千葉大学医学部医学科卒業後、東京都済生会中央病院、東京都立多摩総合医療センター呼吸器科勤務の後、千葉大学呼吸器内科にて基礎研究の他、悪性胸膜中皮種症例に対するNK4遺伝子発現型アデノウイルスベクターを用いた医師主導第1相臨床試験に従事。米国Vanderbilt University Medical Center勤務の後、2019年より筑波大学医学医療系 臨床腫瘍学/腫瘍内科にてがんゲノム医療、オルガノイド開発を含めた各種トランスレーショナルリサーチに関わっている。

【監修記事】

中皮腫や肺がんなどのアスベスト関連疾患とがん遺伝子パネル検査(がんゲノムパネル検査)

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