お知らせ

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中央環境審議会環境保健部会石綿健康被害救済小委員会の運営の在り方に関する見解と声明

2022年9月14日

中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会

会長 小菅千恵子

 

中央環境審議会環境保健部会石綿健康被害救済小委員会の

運営の在り方に関する見解と声明

 

 2022年8月26日に中央環境審議会環境保健部会石綿健康被害救済小委員会(令和4年度第2回)が開催されました。前回、6月6日に開催された第1回の会合では、多数の委員から石綿健康被害救済基金の治療研究支援への活用に関する賛同の意見が出されました(参考1)。

 第2回会合では、患者や家族からのヒアリングが予定されていました。しかし、開催前の8月中旬、私どもに環境省石綿対策室の木内室長から「小委員会でのヒアリング候補として、数名の医学・法学の専門家を提示いただいていましたが、同じく医学・法学の専門家の参加している委員同士の議論を充実させて、審議時間を十分確保するため、これらの専門家のヒアリングについては行わないこととします。」とメールで連絡が寄せられました。

 これ以前の5月24日に、私たちは吉住前室長から、国立大学病院と近畿の私立大学の医療関係者にそれぞれ連絡を取っていること、9月16日の第3回会合でヒアリングを実施する予定である旨を伺っていました。第1回の事務局が提示した資料にも、8月頃に第2回目、9月頃に第3回目の会合の開催とヒアリングを行う予定であることが確認され、委員会でも了承されました(参考2)。しかし、小委員会の会合で何の確認・合意もなく8月26日の会合資料からはヒアリングの予定が削除され、会議日程が変更されるなど、不透明な事務局主導の運営がされています(参考3)。

 さらに、第2回の会合前日に事前説明を受けましたが、事前段階では実施しないと連絡を受けていた専門家のヒアリングを実施(奈良県立医科大学 明神大也氏)することとあわせて、基金残高が枯渇するという将来予測に関するグラフデータ(参考4)などの資料を提示することの説明を受けました。

 会合当日に環境省が示してきた当該グラフデータは、2013年時に環境省自身が作成した資料(参考5)と大きく乖離しており、作成根拠となった具体的データも示されず、全く信用することはできません。当事者らのヒアリングの前に委員会の議論を恣意的に偏った方向性に導こうとするもので、このような事務局の姿勢は看過できません。

 加えて、第2回の委員会では、当会の中皮腫患者である右田孝雄委員の発言希望を取り扱わない、遮るなど、浅野直人委員長の差配が目立ちました。右田委員は当事者として患者・家族の意見をひろく委員会で共有し、前向きな議論を進めようとの気持ちがあったと思います。本委員会も、被害を受けた患者・家族をとりまく石綿健康被害救済制度について議論を深め、より充実した制度への改善や制度運用を図るために実施されているはずです。

 これらの経過を踏まえ、私たちは次のように考えています。

①環境省自身が実施を内定させていた専門家へのヒアリングは実施しないと当方に連絡してきた一方で、他の専門家のヒアリングのみを実施したことは当方との信頼関係を大きく損なうものです。

②加えて、委員会で確認したヒアリングの予定を事務局が一方的に削除・変更するという運営のあり方は問題が大きく、到底容認できません。

③中皮腫治療における臨床試験やレジストリデータの構築など、今後の中皮腫治療戦略の構築と石綿健康被害救済基金の活用は密接に関係しているにも関わらず、その議論を回避することは、中皮腫をはじめとするアスベスト被害の困難性に向き合おうとせず、行政としての役割と責任を放棄するものです。

④これら課題については、参議院環境委員会での附帯決議や全国知事会からの要望が出されていることからしても、この間の環境省の対応は国会や地方自治体の意思決定を軽視するものです(参考6)。

⑤環境省事務局をはじめとする関係者による委員会運営は公平性を著しく損なっており、活発な議論を妨げています。ここに強く抗議するとともに、次回以降の委員会運営の改善を求めます。

 

 

参考1:​​​​アスベスト健康被害 国の救済基金 “治療研究などにも活用を(NHK)

(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220607/k10013660781000.html)

参考2:建設アスベスト給付金制度施行に係る石綿救済制度の対応等.pdf

(https://www.env.go.jp/content/000047430.pdf)

参考3:石綿健康被害救済小委員会の今後の進め方.pdf

(https://www.env.go.jp/council/content/05hoken04/000067961.pdf)

参考4:前回頂いた御指摘事項に関する資料(基金関係).pdf

(https://www.env.go.jp/council/content/05hoken04/000067962.pdf)

参考5:2013年時に環境省が作成していた資料

(https://www.chuuhishu-family.net/wp-content/uploads/2022/09/7cc0e8e17f77d4a7cd55b3cbb9effd8e.pdf)

参考6:​​2022年6月10日の第208回国会参議院環境委員会で「石綿による健康被害の救済に関する法律の一部を改正する法律案」が審議・可決され、「石綿による健康被害の救済に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議案」が全会一致で決議されました。決議事項には、「国は、石綿による健康被害者に対して最新の医学的知見に基づいた医療を迅速に提供する観点から、中皮腫に効果のある治療法の研究・開発を促進するための方策について石綿健康被害救済基金の活用等の検討を早期に開始すること。」が含まれています。2022年8月25日、全国知事会(環境・エネルギー常任委員会 阿部本部長兼委員長(長野県知事))が令和5年度国の施策並びに予算に関する提案・要望(政策要望)【環境関係】の「6 アスベスト対策の推進について」において、「石綿健康被害救済制度の充実を図るとともに、中皮腫などアスベスト関連疾患の診断や治療法確立に向けた研究・開発を推進すること。この際、制度の見直しが生じた場合は地方公共団体に費用負担を求めないこと。」を要望しました。

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