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PPIって何? 患者・市民参画への誘いー中皮腫患者の家族としての経験からー

公開日:20223年7月3日

執筆者:北関東支部/藤下 一(SNSハンドル名:スノーマン

「がんゲノム医療推進に向けたがん遺伝子パネル検査の実態調査研究」
患者・市民参画(PPI)メンバー

患者・市民参画(PPI)

「患者・市民参画(PPI)」という言葉を初めて聞いたという方、この言葉は聞いたことがあるが、詳しい内容はわからないという方も多くいらっしゃると思います。今回は、この患者・市民参画を説明し、知っていただくとともに、興味を持った方にはぜひ参加していただければと思い、患者・市民参画の紹介をさせていただきます。

患者・市民参画(PPI)は、Patient and Public Involvementの頭文字をとったもので、患者・市民参画(直訳/笑)やPPI、どちらでも同じ意味で使われており、以下PPIと書かせてもらいますね。

まず、国立研究開発法人日本医療研究機構(AMED)(←平たく言うと、日本の医療研究開発を進めるために作られた国の機関)は、PPIをこう定義しています。

【「医療研究・臨床研究における患者・市民参画」とは、医学研究・臨床試験プロセスの一環として、研究者が患者・市民の知見を参考にすること。】って、むつかしいですね。

ここでも平たく言うと、「医療の研究をする時に、研究者のみで進めるのではなく、患者や家族、市民も研究パートナーとして参画してもらい、研究者のみでは気づかない価値や視点を入れること。」といったところでしょうか。確かに、研究者だけで医療の開発を進めた場合、研究の目的に患者側の本当の困り事が拾い上げられていなかったり、患者が参加しづらい研究の計画になっていたりしてしまうことも考えられます。欧米では以前からこのPPIが広く進められており、近年日本においても取り入れられるようになってきました。

患者・市民がパートナーとして研究者とともに研究を完成させる

PPIを理解しやすくまとめた図があるので、これで説明します。

PPI

図の上の部分の「患者・市民参画の位置づけ」を見ると、患者・市民がパートナーとして研究者とともに研究を完成させるイメージが湧くと思います。一方で、図の下の部分の「患者・市民参画は海外でも広がっている」では、研究者に協力して研究を推し進めていくだけでなく、研究の対象者として参加したり(例:治験に参加する)、研究の終了後に、その結果を社会に広く知らせたりすることも、患者・市民参画の一部です。更に、研究の中で自分自身の経験を話すことも、立派な患者・市民参画となります。

研究への患者・市民参画」は、これらの内容をとても分かりやすく説明している5分ほどの動画です。

中皮腫患者・家族として医療研究開発に参加することの意義

といっても、こう聞くと「患者・市民参画(PPI)」って、とても難しそうでハードルが高いと感じてしまいます。しかし、患者や家族としての困り事、特に中皮腫やアスベスト疾患という希少な病気の当事者として意見を言うことは、医療全体や中皮腫・アスベスト疾患の治療にとっても有意義なことです。

実際、悪性胸膜中皮腫の患者であるshiropanda18(アメーバブログのハンドル名)さんは、ご自身の治療を行いながら、患者会のピアサポート講座や、通信教育でがん医療に関することを勉強されたうえで、国立がん研究センターの患者・市民パネルに参加して、「がん情報サービス」などの正しい情報の発信の仕方について提言を行っておられます。shiropanda18さんは国立がん研究センター患者・市民パネルの紹介文に、「希少がんの現状と抱える問題について、もっと多くの人に知ってもらえる取り組みをしたい」と書かれています。素晴らしい活動ですね ^ ^

また、PPI参加にあたっても、国立がん研究センターや主要ながん治療学会(日本臨床腫瘍学会、日本癌治療学会、日本肺癌学会等)の、患者向けのセミナーや教育プログラム(PAL・PAPなどの名称で開催)が行われています。ここで、知識を習得してPPIに参加することも、また勇気をもって、直接参加できるPPIを探してみるのも良いと思います。

アスベスト起因の疾患の患者・家族が、難治性の希少がんの当事者であるからこそ、自ら積極的に医療研究開発に係っていくことも大切だと思います。ご興味のある方、参加を検討してみてはいかがでしょうか?

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