お知らせ

お知らせ

腹膜中皮腫になって8年目

公開日:2022年9月29日

※本執筆は、患者の体験をもとに個人の感想として執筆しています。治療選択など、医療に関わる問題については主治医をはじめ、通院されている病院の「がん相談支援センター」など、医療関係者との相談を踏まえてご検討ください。

執筆:東海支部・腹膜中皮腫患者 青山和弘

私が住んでいる所は、岐阜県の最北端“飛騨市神岡町”という、冬期には積雪が1mを超える豪雪地帯です。

以前にも会報に投稿させて頂きましたが、今回も私の病歴をお伝えすると共に、現在の状況をお知らせしたいと思います。

腹膜中皮腫患者

会社を立ち上げる準備をしていた2015年(平成27年)5月に、以前から腹部に膨満感を感じていたため、持病の高血圧の定期受診の際、軽い気持ちで健康診断を受けることにしました。その結果、血液検査では腫瘍マーカー自体は正常値でしたが炎症反応が高く、腹部CT検査の結果では腹部に複数(6〜7個)の腫瘤が見つかったため、直ぐに富山大学附属病院に検査入院し、下記の検査を受けました。

●血液検査

●PET検査

●CT検査(造影剤)

●パテンシーカプセル検査(小腸)

●胃カメラ

●大腸カメラ(腫瘍の組織を採取)

●前立腺カメラ(前立腺の近くにも腫瘤があったため)

約2週間後に悪性の腫瘍で、アスベストが関係していると言われました。アスベストが検出された時点で、中皮腫という病気であることが何となく分かり、不安に思いネットで検索しました。やはり私が思っていた通り、予後が悪く治療の確立もない等良いことが全く書かれていませんでした。その時初めて『死』と言うものを身近に感じ、残される家族の今後の事を想ったり、立ち上げる準備をしている事業をこのまま進めても良いのか迷い始めました。更に1週間後、悪性腹膜中皮腫と言われましたが、手術をしてみないと確定することは出来ないとの事でした。

その後、入退院を繰り返しながら、手術が出来るのか様々な検査をしました。今思うとこの頃が一番辛かったように思います。一日何もせず、国道の待避所に車を停車し蝉の声を聞いたり、川のせせらぎの音を聞いて過ごしていました。また、人に会いたいとも思えず、人前に出れば手が震え文字が書けなかった事もありました。

その後の検査で腹膜播種があるものの腫瘍が限局していたため、手術が可能であると判断されました。勿論、開腹した結果、切除不可能と判断されればそのまま閉じられる可能性もありましたが、手術ができる事に希望がもてました。その為、鼠頚部より部分麻酔をしてのカテーテル検査や、バリュームでの大腸検査など、さらに詳しい検査を行いました。

どんな方法でも治療ができる事に前向きになり、途中で終わりが来るかもしれませんが事業も続ける決心をすることができました。

そして7月24日に手術を受けました。術前のカンファレンスで聞いていた通り6時間30分の手術となり、直腸、結腸の2箇所を切除し全体の4割程度を失い、大網も切除しました。更に当初確認されていた個数より多い12個の腫瘍(肉眼で確認できるもの)が全て摘出されました。

8月11日に退院となりましたが、8月17日に抗がん剤治療のため再入院をしました。しかし、腸間膜静脈に血栓ができていることが分かり、この治療が優先され1週間点滴と服薬をし、その後肺の血流の検査と腹部エコーにて消滅したのを確認したため、いよいよ抗がん剤治療が開始されました。抗がん剤治療は腫瘍が小さければ有効であるが、その効果は2〜3割程度であると思われるとの事でした。さらに、様々な副作用がある事も説明してもらいました。

9月1日、初めての抗がん剤治療でシスプラチンとアリムタを投与し、1週間入院しました。それが6クール続き、翌年の1月に終了しました。一番心配された副作用ですが、髪の毛が抜ける、食欲が落ちて食べられない、白血球が減少する等の一般的な症状はほとんどありませんでしたが、しゃっくりがほぼ半日続くことがあり、とても辛かったです。

その後は3週間に1度通院し、アリムタを単体で点滴してもらいました。アリムタ単体の抗がん剤治療も合計60回以上続けていてきましたが、腎機能が低下してきた事もあり、4年目の2019年(平成31年)に抗がん剤治療を中止しました。抗がん剤治療を中止して3年が経過した現在は、3ヵ月毎に血液検査、6ヵ月毎に造影剤でのCT検査を受けての経過観察中です。

今年の7月で手術を受けてから丸7年経過し、8年目に入りました。私の場合びまん性上皮型腹膜中皮腫ですがなぜか腫瘍が限局しており、手術にて腫瘍をほぼ摘出ができたという非常に珍しいケースであるため、参考になるか分かりませんが、治療の選択肢の一つになれば幸いと思います。

この病気になった当時は絶望し死を覚悟しましたが、家族や友人達が病床の私を支え優しく見守ってくれた事で、今の私がいるのだと思い感謝すると共に、今の自分に出来る範囲での目標を設定しながら楽しむことにしています。その一つに、以前から飼いたいと思っていた柴犬を4年前に迎え、この子を看取るまでは死ねないと思っています。時間があるときは朝夕1時間程度散歩したり、庭で一緒に遊んだりすることが良い運動になっているようです。今は愛犬が中心の生活を楽しんでいます。

また、会社の方は借金も沢山ありますが、従業員もパートを中心に50名位になり、新しい事業所も増え楽しくコツコツとやっています。仕事のストレスが無いわけではありませんが、自分の好きな事をやっているので全く苦になりません。仕事は楽しく、家に帰れば家族と愛犬が待っている…このような心身のバランスがあって今の健康状態を維持しているのだと思っています。勿論、再発のことは常に不安ではありますが、『再発してもいないのに悩んでいても仕方がない、今を大切に生きよう!』と家族にも言われたので、前向きに生きていくことが出来るようになりました。

これからも周りに感謝し楽しく、精一杯生きていきたいと思っています!!

24時間365日受付

中皮腫・アスベスト被害全国無料相談

当サイトへのご相談・お問い合わせはこちらからご連絡ください。

無料相談

中皮腫・アスベスト被害全国無料相談

0120-117-554

24時間365日受付

無料相談