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【ご注意ください】労災保険制度における中皮腫患者さんの通院交通費

公開日:2022年9月26日

労災保険給付では、通院にかかる交通費・宿泊費(移送費)が支給される場合があります。特に中皮腫については、2005年10月18日に当時の尾辻秀久厚生労働大臣が閣議後の会見で、「常識的な範囲で患者さん方の納得なさる病院に行っていただくというのが一番良い」との考えを示し、労災保険給付で定義される居住地や居住地に隣接する都道府県にとらわれず、通院の必要性が認められた場合には交通費等が支給されてきました。

その後も、平成20年10月30日付け基発第1030001号通達に基づき取り扱われており、中皮腫の通院費についても同通達で支給の判断がされています。また、平成21年1月20日付け厚生労働省労働基準局労災補償部補償課長補佐(医療福祉担当)からの都道府県労働局労災基準部労災補償課長宛の事務連絡「中皮腫の診療のための通院費の支給に当たって留意すべき事項について」及び、平成29年10月31日付け事務連絡「中皮腫の診療のための通院費の支給に当たって留意すべき事項の徹底」によって確認・運用がされてきています。

関係事務連絡等が形骸化してきた兆候ともとれる事案が発生

胸膜中皮腫で治療をしてきたAさんは2022年1月と4月に、治療のための通院費をS県内の労働基準監督署に請求しましたが、「移送費の支給要件を満たさないものがあり」という理由で一部の請求について不支給とする処分をしました。具体的には、居住地から病院までの航空運賃やタクシー代を請求したところ、支給が認められませんでした(フェリー代など一部が代替的に支給)。

実は、Aさんはそれ以前にも同様に請求をしてきましたが、請求どおりの形で支給がされてきたので、思わぬ形でそれまでと異なる決定をされたことになります。

審査請求で不支給処分の取り消し

Aさんは2022年4月と5月に、前述した処分に関して、S県の労働者災害補償保険審査官に対して処分の取り消しを求めて審査請求をしました。

審査官はAさんが通院していた医療機関の医師などに、航空機等での移動の必要性について確認するなどの調査を進める一方で、Aさんもなぜそれが必要なのかを書面で提出しました。

審査請求では、口頭意見陳述と言って、請求人(本件ではAさん)が申し出れば基本的には審査官のいる労働局において、審査官と処分庁である労働基準監督署の関係者も同席した上で意見を述べたり、処分庁に対して決定の理由などについて質問をすることができます。

Aさんは体調面から、数百キロも離れている当該労働局での口頭意見陳述に出向くことは難しいことから、居住地の近くの公共施設において実施をしてもらうことができました。Aさんは口頭意見陳述で、具体的なご自身のこれまでの治療と現在の体調を具体的に述べ、原処分庁へ決定の根拠などについて質問をすると同時に、審査官に対して自身の請求の正当性について訴えをしました。

審査の結果、Aさんの主張は原処分を取り消す審査官の決定につながりました。結果的に、良かったものの、同様の事案が全国的に発生していないかと、不安も感じます。そもそも、請求をしていない方も一定数おられるのではないかと思われます。労働基準監督署への相談段階で支給されないと言われた方も、一度ご相談いただければ、過去の事例と照らして支給される可能性についてご助言できるかもしれません。

交通費等の請求にも時効

労災保険給付の多くには時効がありますが、通院に関係する交通費も、それを使用した時点から2年を経過すると請求権が時効になって消滅してしまいます。

使用した交通機関などについては、自家用車や電車やバスなどの公共交通機関を利用する場合は領収書の提出は不要ですが、飛行機・新幹線・タクシーなどについては領収書の提出は必須となりますので必ず保管しておきましょう。

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