お知らせ

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創薬・先端医療ワーキンググループへ、「石綿健康被害救済基金の安定的運用を前提とした治療研究支援活用に関する提言」を提出

公開日:2026年2月20日

本日、「創薬・先端医療ワーキンググループ」委員等へ、「石綿健康被害救済基金の安定的運用を前提とした治療研究支援活用に関する提言」を送付しましたことをご報告申し上げます

中皮腫をはじめとしたアスベスト疾患を「治る病気にする」ために、引き続き関係者への働きかけを進めていきます。

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2026年2月20日

内閣府特命担当大臣 小野田紀美 殿
デジタル大臣 松本 尚 殿
創薬・先端医療ワーキンググループ委員各位 様

 中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会
会長 小菅千恵子

石綿健康被害救済基金の安定的運用を前提とした治療研究支援活用に関する提言

創薬・先端医療ワーキンググループの委員各位におかれましては、我が国の創薬力の強化および革新的医療技術の社会実装に向け、日頃より多大なご尽力を賜り、心より敬意を表します。

私どもは、アスベスト被害を受けた患者・家族・遺族として、一日も早く、すべてのアスベスト疾患が克服されることを切に願っています。現在の国のアスベスト被害対策は、制度上やむを得ない側面もありつつ、金銭的給付を中心とした救済に重点が置かれており、患者・家族が切実に望む「命の救済」、すなわち治療法の確立という観点は、必ずしも十分とは言えない状況にあります。特に、代表的なアスベスト疾患である中皮腫は希少がんでもあり、治療薬の研究開発は肺がん等と比べて著しく遅れているのが現状です。

こうした状況を踏まえ、私どもは、一部の石綿健康被害者への給付財源となっている「石綿健康被害救済基金」を、治療研究支援のために限定的に活用し、「命の救済」を前進させる方策についてご検討いただきたいと考えています。同基金の残高は、2024年度末時点で約750億円規模です。

石綿健康被害救済基金は、被害者および遺族に対する迅速かつ安定的な給付を行うための制度の根幹であり、将来にわたる給付の確実性と制度の持続可能性が最優先されるべきであることは論を待ちません。私どもは、安易な使途変更や恒常的な支出拡大を求めるものではなく、基金の安定的運用を大前提とした上で、限定的かつ厳格に管理された「投資的活用」を提言するものです。

アスベスト疾患患者の治療成績の向上は、患者の生存期間や生活の質を高めるのみならず、重症化の抑制を通じて将来的な給付負担の抑制にも資する可能性があります。また、治療研究支援は、医薬品・医療分野全体の発展を促し、社会的にも大きな意義を有します。

具体的な基金の活用にあたっては、以下のような考え方に基づき、段階的・慎重に議論されることが望ましいと考えます。

1 時限的な使途拡大

基金の活用拡大については、金額および期間の上限を明確に設定した上で、試験的に運用することが考えられます。例えば、年間10億円程度、5年間で最大50億円といった、将来給付に影響を及ぼさない範囲での限定的活用です。

2 運用益の活用

同基金では、これまでに約18億円規模の運用益が生じています。元本には手を付けず、こうした運用益の範囲内で活用することにより、基金の安定性を損なうことなく治療研究支援を行うことも可能と考えます。

3 「希少がん」または「がん全体」を視野に入れた支援枠組み

同基金はアスベスト被害者への給付のために設けられたものですが、拠出者は事業者・都道府県・国などです。中皮腫においては、研究開発が肺がんなどと比べて遅れている認識に変わりはありませんが、肺がん治療などの進展から恩恵を受けている側面もあります。中皮腫などのアスベスト疾患の支援に限定せず、希少がんや全がんにも活用することが結果的にアスベスト被害者の「命の救済」につながると考えます。拠出者との関係で言っても、事業者の従業員等の恩恵につながる問題で、各関係者にとって利益があります。

アスベスト被害への対応は、過去の産業活動に伴う社会的責任を伴うものであることに加えて、一部で国が使用を促進してきた責任もあります。金銭給付に留まらず、「命の救済」に国をはじめとした各関係者が責任を持つ必要があります。 基金の安定性を守りながら、命の救済につながる未来への投資をして頂きたく、本ワーキンググループにおいて、日本の創薬力強化のモデルケースとして前向きな検討をお願い申し上げます。

 

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