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造船アスベスト国家賠償訴訟:石綿肺がんを発症した男性が東京地裁に提訴

更新日:2024年2月26日

公開日:2024年2月14日

監修者:弁護士 山岡遥平(東日本アスベスト被害救済弁護団)

本日、2024年2月14日に当会の会員が国にアスベスト疾患発症の賠償を求めて東京地裁に提訴致しました。

造船アスベスト

事件の概要

原告は現在71歳の男性であり、高校卒業後の1971(昭和46)年4月より、三井造船株式会社千葉事業所(現三井E&S造船株式会社千葉工場。いずれも千葉県市原市八幡海岸通1番地所在)において60歳になる2012(平成24)年まで一貫して造船業に従事してきた元労働者である。

本件は、原告が、造船業(機関艤装)に従事する中で、保温材等の石綿粉じんにばく露し、2019年に肺がんを発症したため、この石綿ばく露が国の違法な規制権限不行使によるものであるとして国家賠償請求を求めるものである。

本件の意義

本件は、建設アスベスト訴訟において国の責任が認められ、建設アスベスト給付金の制度ができたものの、建設作業従事者同様に建材の石綿粉じんにばく露されている造船作業者に対して、同給付金の支給が行われない事例が相次いでいることから、建設アスベスト訴訟同様、国が責任を負うべきであるとして提訴するものであり、アスベスト被害のさらなる救済を求めるものである。

すでに同様の訴訟が北海道及び大阪で提訴されているが、関東圏での提訴は初めてと思われる。

原告コメント

私は2019年7月に「肺がん」を発症しました。若い頃のほんの一時期、タバコを吸っていましたが、以降は喫煙をしておらず、会社でも安全衛生委員として社員の禁煙や受動喫煙の問題を会社に訴えていました。そんな私がまさか肺がんになるとは夢にも思っていませんでした。診断後は、これからの人生がどうなっていくのか強い不安が襲ってきました。幸い、治療がうまくいき、現在は小康状態ですが、再発の恐怖が常にあります。

私の肺がんの発症は、大手造船会社において新造船やホーバークラフト船の機関艤装業務として、石綿製の配管用断熱材を直接取り扱い、加工、貼付などの作業を行っていたこと、周辺でも石綿製のパネル材などの加工、建付けの作業を行っていたことで、アスベストを吸ってしまったことにあります。

国は、戦前からアスベストが身体に悪いとわかっていましたので、造船業においても対策をとってくれていれば私は肺がんにならなかったはずです。

本心を言えば、お金は1円も要りません。ただ、健康な身体をかえしてほしいだけです。そして、私と同じように被害を受けた皆さんに対しては、国は責任を認めて補償し、肺がんや中皮腫などのアスベストの病気を治せるようにしっかりと治療研究の支援をしてほしいと思います。

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