お知らせ

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<7・12>アスベスト(石綿)健康被害に係るすき間のない救済を求める要望書を提出

公開日:2023年7月12日

本日、参議院議員会館にて「アスベスト(石綿)健康被害に係るすき間のない救済を求める要望書」を環境省等に提出し、対応について関係省庁と協議致しました。引き続き、すき間のない救済に向けて取り組みを進めていきます。

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2023年7月12日

環境大臣 西村明宏 様
厚生労働大臣 加藤勝信 様
総務大臣 松本剛明 様
全国健康保険協会理事長 安藤伸樹 様 

中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会
会長 小菅千恵子

アスベスト(石綿)健康被害に係るすき間のない救済を求める要望書 

5月9日の関係省庁からの回答を踏まえ、アスベスト健康被害をとりまく諸制度に関して、下記の通り要望します。ご回答をよろしくお願いいたします。 

1 石綿ばく露者の健康管理の体制構築(環境省、厚労省)

アスベストはあらゆる職業、地域で使用されてきました。しかし、石綿ばく露者の健康管理に関しては、厚労省の石綿健康管理手帳は一部の元労働者を対象としたものであり、環境省は「石綿読影の制度に係る調査」においてきわめて限定的な自治体を対象とした時限的な調査事業しか実施していません。これらにおいては建設業等における自営業者・一人親方等は必ずしも対象となりません。また建物などからの環境経由の石綿ばく露者も対象となっていません。5月9日の厚生労働省からの回答では、「個人事業者等に対する安全衛生対策のあり方に関する検討会」で検討している旨の回答がありましたが同検討会では一人親方を含む本件に関わる健康管理制度のあり方について全く議論されていません。

①5月9日、厚生労働省の担当者は「建設業等における自営業者・一人親方等、地域が限定されない建物ばく露等の環境経由の石綿ばく者の健康管理をすき間なく実施するための検討の場を設置してください。」という要望に対して、「環境省等もちろん、これまでも連携はしておりましたが、引き続きその石綿にばく露される方というと、労働者として石綿業務でばく露された方だけではないというところを改めて認識した次第ですので、環境省と連携して、その点について、しっかりとそれぞれできることを進めなければならないというふうに考えております。」と回答されました。その後の進捗についてご回答ください。

2 アスベスト被害者遺族の救済を図るための死亡小票の活用(厚労省、環境省、総務省)

①5月9日、「中皮腫の死亡年別の死者数に対して、労災や救済法における認定者数は高い年でも7割未満です。厚労省、環境省で過去に実施した個別周知事業を再度実施してください。あわせて、引き続き各法務局での死亡診断書の原則27年間保管を徹底し、人口動態調査における「死亡小票」を活用できるよう法改正してください。」という要望に対して厚生労働省および環境省の担当者から総務省を含めて関係機関との協議の重要性について回答がありました。総務省の見解を含め、今後の法改正の進め方についてスケジュールを示してください。

3 労災認定者に係る傷病手当金の返還に係る対応(厚生労働省)

①5月9日、「石綿ばく露を原因として労災認定される者には、さまざまな理由から発症から請求までの期間が2年以上経過することもあります。労災請求に至る以前に、傷病手当金を申請・受給する場合もありますが、傷病手当金の支給対象期間が労災制度の休業補償の請求期限が消滅している場合もあります。そのような場合、同一期間において労災からの休業補償の支給がないにもかかわらず、支給された傷病手当金の返還を求められます。このような実態から、労災認定される可能性がありながら、「あえて労災請求をしない」という事例もあります。傷病手当金の返還を求めないなどの対応を早急に実施してください。」という要望に対して、「例えばその時効の援用等を法改正なんかして、運用等で対応できないかどうかそういった点も含めてですね、前向きに検討させていただければというふうに考えております。」など、厚生労働省の担当部局から関係部局と協力していきながら進めていく旨の回答がありました。現在の検討状況についてお示しください。

4 建設アスベスト給付金の請求および審査対応(厚生労働省)

建設アスベスト給付金の運用が始まって1年以上が経過しています。

①請求から決定までの平均処理期間(情サ有無ごと)について明らかにしてください。

②担当者がじん肺管理区分について十分に認識していないと思われるケースがあります。基礎的情報について教育を図ってください。

③審査資料として、労働者として事業主証明を得られたにも関わらず、当該労働者(請求人)に対して事業所が保有している工事請求書などを求める場合があります。過度な立証をかすことは被災者に大きく不利であることから、石綿健康被害の特殊性を踏まえた柔軟な対応をしてください。

④担当職員が請求の問い合わせに対して、「時間かかる」と請求を躊躇させる事例がありました。指導し、対応を改めてください。

⑤調査担当者はどのような経歴(委託社労士や厚労省職員等)なのか個人の特定がされない範囲で明らかにしてください。

⑥申請者が国以外を被告として民事訴訟をしている場合、故意に認定を引き伸ばしていると思われる事案が相次いでいます。法律上、速やかに決定するとされているにも関わらず、法律上何の根拠もなく決定を引き伸ばすことを直ちにやめてください。

⑦建設アスベスト給付金制度に係る実施要領を開示してください。石綿ばく露作業につき就業歴等申告書で申告した事業場に対する調査の実施の有無、調査項目につき明らかにして下さい。

5 船員保険の審査対応(厚生労働省、全国健康保険協会)

肺がん請求事案の際に審査医師に対して、「認定依頼事項」として「胸部X線検査、胸部CT検査等により、広範囲の胸膜プラークが認められるか」と認定依頼し、一方で(広範囲ではない)「胸膜プラーク」の有無について認定依頼していません。これは当方では2件の肺がん事案で確認しています。

①労災認定基準に沿った審査をしてください。

②すべての肺がんの請求事案につき、同様の取り扱い(=広範囲ではない胸膜プラークの有無について認定依頼していない)をしているのかどうか明らかにして下さい。

③肺がんの請求事案につき、「広範囲の胸膜プラークは認めない」として、不支給決定した件数を明らかにして下さい。

④③につき本来の労災認定基準「胸膜プラーク所見がある+石綿ばく露作業従事期間10年以上」に則して再調査して下さい。併せて当該の請求人に再調査する旨を通知して下さい。

⑤上記を踏まえ、今後、新規で請求された肺がん事案の取り扱いにつきどの様な調査を行っていくのか、明らかにして下さい。

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