中皮腫・アスベストの病気のこと

どんな症状が出るの?どのように診断されるの?

どんな症状が出るの?どのように診断されるの?

更新日:2022年11月21日

公開日:2022年2月25日

ある程度進行するまでは、無症状のことが多いといわれていますが、胸部レントゲンやCTで胸水貯留などの異常が偶然発見される事もあります。また、病気によっても違ってきますが、「息切れ」「せき」「胸の痛みや締め付け」などの症状が出てくることがあります。過去にアスベストを扱う仕事をされてきた方は、注意深くご自身の体調の変化を観察して少しでもおかしいと思ったら、放置せず直ぐに病院を受診することが重要です。

どの病気についても、胸部レントゲンやCTなどの画像による確認が必要です。「中皮腫」と「肺がん」は、生検などによる病理診断によって確定的な診断ができます。また、「肺がん」についてはアスベストとの関連性を確定するために、仕事などでアスベストを吸ってきた経過や「胸膜肥厚班(胸膜プラーク)」を画像によって確認することも大切です。

胸膜プラーク胸膜プラーク
CT画像で確認できる胸膜プラークと手術中写真で確認できる胸膜プラーク

「石綿肺」「びまん性胸膜肥厚」「良性石綿胸水」は、画像による確認に加えて、仕事などでアスベストを吸ってきた経過を確認することで、これら以外の疾患(間質性肺炎など)との鑑別を行います。また、画像診断は、高い専門性が求められますので、経験豊富な医師による診断が必要です。

いずれの病気も血液検査や腫瘍マーカー、遺伝子検査で確定的な診断ができることはありません。さらに、医療機関で診断されても、労災保険制度や石綿健康被害救済制度では、その診断に誤りがないかの認定(判定)基準があり、それぞれの審査機関に所属する医師の審査が行われます。

アスベスト(石綿)疾患における労災保険制度と救済制度の認定(判定)基準

  労災保険制度(雇われてしていたお仕事が原因で病気を発症した場合) 救済制度(雇用関係の有無など、立場を問わず、病気を発症した場合)
中皮腫
労災保険制度(雇われてしていたお仕事が原因で病気を発症した場合)

中皮腫と確定診断(原則)され、①あるいは②にあてはまること
①第1型以上の石綿肺所見が胸部エックス線写真で確認できる。
②労働者としてアスベストを吸う仕事(可能性含む)を1年以上した。
※病理組織検査で確定診断が難しい場合は、画像所見や臨床経過などから総合的に判断されます。

救済制度(雇用関係の有無など、立場を問わず、病気を発症した場合)

病理組織診断による確定診断がされている(原則)。

肺がん
労災保険制度(雇われてしていたお仕事が原因で病気を発症した場合)

原発性肺がんと診断され、①から⑥のいずれかにあてはまること
①第1型以上の石綿肺所見が胸部エックス線写真で確認できる。
②胸膜プラーク所見があり、労働者としてアスベストを吸う仕事(可能性含む)を10年以上した。
③広範囲の胸膜プラークがあり、労働者としてアスベストを吸う仕事(可能性含む)を1年以上した。
④石綿小体か石綿繊維の所見があり、労働者としてアスベストを吸う仕事(可能性含む)を1年以上した。
⑤びまん性胸膜肥厚を併発している。
⑥労働者として「石綿紡織製品製造作業」「石綿セメント製品製造作業」「石綿吹付作業」として5年以上働いた。

救済制度(雇用関係の有無など、立場を問わず、病気を発症した場合)

原発性肺がんと診断され、①から③のいずれかにあてはまること
①胸膜プラーク所見があり、じん肺法に定める第1型以上の石綿肺所見と同程度の肺繊維化所見が胸部CT画像と胸部エックス線写真で確認できる。
②広範囲の胸膜プラークがある。
③石綿小体か石綿繊維の所見が有意にある。

石綿肺
労災保険制度(雇われてしていたお仕事が原因で病気を発症した場合)

労働者として石綿にばく露して、①あるいは②にあてはまること
①じん肺管理区分の管理4の石綿肺(石綿肺によるじん肺症)である。
②じん肺管理区分の管理2・3・4のいずれかにあり、以下のいずれかを合併している
「肺結核」
「結核性胸膜炎」
「続発性気管支炎」
「続発性気管支炎拡張症」
「続発性気胸」

救済制度(雇用関係の有無など、立場を問わず、病気を発症した場合)

①から④のすべてにあてはまること
①多くのアスベストを吸ったことがある。
②じん肺法に定める第1型以上の石綿肺所見と同程度の肺繊維化所見が胸部エックス線写真で確認できる。
③著しい呼吸機能障害がある。
④他疾患との鑑別が可能である。

びまん性胸膜肥厚
労災保険制度(雇われてしていたお仕事が原因で病気を発症した場合)

以下のすべての基準を満たすこと
①労働者としてアスベストを吸う仕事(可能性含む)を3年以上した。
②著しい呼吸機能障害がある。
③肥厚の広がりが一定以上ある。

救済制度(雇用関係の有無など、立場を問わず、病気を発症した場合)

①から④のすべてにあてはまること
①おおむね3年以上、多くのアスベストを吸ったことがある。
②臓側胸膜に一定以上の肥厚の広がりがみられる。
③著しい呼吸機能障害がある。
④他疾患との鑑別が可能である。

良性石綿胸水
労災保険制度(雇われてしていたお仕事が原因で病気を発症した場合)

診断が困難なため、他疾患との鑑別などを経て個別に判断。

救済制度(雇用関係の有無など、立場を問わず、病気を発症した場合)

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