2007年7月20日

石綿の健康影響に関する検討会
検討委員各位

中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会
副会長(会長代行)古川和子

要請書

 石綿の健康影響に関し、専門的立場から取組んでいただいていることに、敬意を表します。

 5月28日、貴検討会において、健康影響実態調査報告や健康リスク調査報告などが議題とされました。石綿ばく露の疫学的解析調査報告書における「今回の数値は、一般環境経由による発症リスクが高いことを直ちに示すものとはいえない」との案をめぐり、「尼崎市は女性の標準化死亡比が高く、一般環境経由によるリスクを否定できないのではないか」という意見が多くの委員から出されました(尼崎市議会における尼崎市答弁参照)。

 そうした経緯にもかかわらず、6月5日の環境省HPに掲載された「中間とりまとめ」では、「今回の数値は、一般環境経由による発症リスクを示すものとはいえない」と、検討会での議論に反する、より否定的な表現に変更されています。

 環境省の浜島直子氏と新井隆浩氏は、7月11日私たちと中皮腫・じん肺・アスベストセンターとの共同交渉の回答で、「小田地区には、クボタ以外にもアスベスト取扱い企業があり、クボタとそれ以外の企業の過去の大気中の飛散量が不明であるから、クボタと周辺での中皮腫多発との因果関係はわからない。」と回答しました。この理由は検討会委員皆様の御意見とは異なるものと思いますし、仮に環境省の答弁の理由が正しいなら、現状の疫学調査を続けても結果はいつまでも明らかにならない事になります。

 尼崎支部をはじめとして、アスベストの被害を受けた当事者である私たち、中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会は、専門家の意見や検討会での議論を踏まえないで、因果関係にかかわる結論を独自に回答するかのような環境省事務局の姿勢を到底許すことはできません。

 昨日も被害者の一人の訃報が届きました。尼崎の環境ばく露の被害者は既に100名を遙かに越しております。尼崎の被害者と家族が、石綿による健康障害に関心をもつ多くの国民が、世界の石綿研究者と国際石綿NPOが貴検討会の報告を注視しております。先生方におかれまして専門的立場と学問的良心に従い、国民の生命と健康を守る立場からこの問題を公正にご検討くださいますよう心よりお願い申し上げます。

Copyright © 2004-2016 JAMARDVF. All rights reserved.