(11) 中皮腫のセカンド・オピニオン(1)

 私は、2000年頃から全国の病院に中皮腫で入院中のご本人やご家族から、涙ながらの相談電話をいただいてきました。その経験があって、私は2003年に亀戸に電話相談を主とする非営利任意団体「中皮腫・じん肺・アスベストセンター」を設立し、同センターが「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」の事務局を兼ねることになりました。

 電話相談には、ご本人の胸部CT写真や病理検査結果報告書を見た上でお答えする個別性の高い内容も多かったため、2006年から医療法人社団ひらの亀戸ひまわり診療所に「中皮腫や石綿肺がんのセカンド・オピニオン外来」(電話03-5609-1823・担当高山)を開始し、紹介状(病理検査結果報告書・胸部CT写真)をご持参して頂き、1時間かけて診療(ご遺族の場合は相談)する形式となり、現在も続いております。中皮腫の患者さんもご家族も、「現在の外科や内科の治療方法の選択は適切か?」「主治医の説明は適切で自分たちの判断は正しいか?」を確認したいという、お気持ちがあります。

 一方、皆さんもご存知の通り、中皮腫の場合「最善と言える治療が容易にない」人がかなりいて、「最善と言える治療方法が少ない時期となった」人が多い現実があります。そうすると、「悪い選択肢の中で、自分にとって合う、良い選択肢は何か?」が基準となり、「ご自分の人生感やご自分の性格」及び、「ご本人やご家族の生死観」を含め、納得と安心の総合的な判断が求められ、その点について伴走する医療者が求められていることになります。

 一定の数の中皮腫の方に接してきた上で、私が直接ご本人やご家族と直接対面する1時間前後の外来を行うことになったのは、ご本人やご家族の眼やからだの動きも含めて語られる非言語の情報を含めて、互いに対話して、納得と安心を確認しているからだと思っています。ご家族にも来ていただいて、睡眠や心、うつ状態を含めてご家族のお話を聞くことも当然大事な点になります。

 セカンド・オピニオン外来での経験から中皮腫の緩和ケアと看護について聖路加看護大学の長松康子先生とまとめていましたが、2011年には中皮腫・石綿研究会で「胸膜中皮腫患者の臨床病期、生活の質、および痛みの特性に関する検討」を発表しました。2005年~2011年までにセカンド・オピニオン外来にいらした中皮腫の方は90名、男性68名、女性22名、30代と40代が各1名、50代が18名、60代が34名、70代が23名、80代が6名です。

 中皮腫のステージが判明しなかった人も多いのですが、ごく初期のステージⅠの方はいなかった結果です。診断や初回治療前の相談が11名、初回治療で進行したため次の治療法の選択での相談が22名、更に症状が進行した時期の相談が6名、全時期通じて相談に数回来た方が21名、ご遺族のみ相談に来た方が30名おり、永眠後の悲嘆のケア含めた内容でした。次回と次々回で更に詳しくお話します。

(第94号2014年2月)

< 前のページ | 次のページ >

Copyright © 2004-2016 JAMARDVF. All rights reserved.