2018年度の活動報告と
2019年度の活動方針

2018年度 活動報告

2018年度の活動と成果は、次のとおりです。

1 中皮腫の治療法の研究開発と「格差とすきまない救済」の実現

  • 被災者・家族の救済について(石綿救済給付の遺族年金創設や肺がん判定基準の緩和など)、環境省のみの議論では壁に突き当たり、関係省庁などを横断した形での基本法などの枠組みの必要性を痛感しました。
  • 2018年6月1日に厚生労働省・環境省との省庁交渉(「中皮腫100人集会 省庁交渉だヨ!全員集合」)を実施するなど、新薬(オプジーボ)の早期承認や研究・開発の促進、石綿健康被害救済法の給付見直しなど、課題ごとの改善を求めました。当日は、中皮腫患者50名以上、全体で200名以上の関係者が参加しました。結果として、通常の審査よりも約1ヶ月早く、オプジーボの承認がされました。
  • 11月21日に中央環境審議会大気・騒音振動部会石綿飛散防止小委員会が開催されました。ヒアリングに招致された平田忠男会長から現在の規制においては石綿ばく露に限界があること、規制の強化が必要であることを意見しました。
  • 国家賠償の和解に関わる裁判(泉南型)で、国が石綿肺がんの損害起算日を「肺がんの確定診断日」ではなく「労災保険支給決定日」と主張した問題で、原告の主張を認めた3月12日の小倉地裁の判決を受けて対応の是正を求めました。国が控訴し、係争が続きます。
  • 2月21日にすき間のない石綿ばく露者の健康管理制度の構築を求める要請を環境省へしました。現在、同省では石綿ばく露者の健康管理を検討するための試行調査が実施されていますが、2020年以降の調査や健康管理制度の構築に向けた具体的な方針が決まっていません。

2 会員等への情報伝達

  • 腹膜中皮腫患者の栗田英司さんの療養体験と長期療養者へのインタビューをまとめた『もはやこれまで』の発行・販売を支援しました。
  • ホームページの更新、会報の発行を行いました。会報・会合などを通じ、情報収集・発信につとめました。とりわけ、前年度以前にないほど多くの中皮腫患者の方々の経験談や活動を掲載しました。
  • 中皮腫サポートキャラバン隊の活動をまとめた報告書を発行し、これまでになかった中皮腫患者によるピア・サポート活動の一端を報告しました。

3 交流と支部活動

  • 「集い」や「交流会」など、支部を中心に交流しました。
  • 福岡支部で事務所を開設し、九州全域の相談に対応する体制をつくりました。
  • 「中皮腫・サポートキャラバン隊」などによる、支部を横断した形での集いや交流を支援しました。

4 会議と他団体との交流

  • 日本肺癌学会中皮腫ガイドライン小委員会の外部委員として、会員の栗田英司さん(腹膜中皮腫患者)と右田孝雄さん(胸膜中皮腫患者)が参加しました。「悪性胸膜中皮腫診療ガイドライン2018年版」に当事者の視点からの助言が組み込まれました。
  • 5月18日に国立がん研究センター希少がんセンター等で共催するセミナー「希少がん Meet the Expert」のディスカッションに会員の右田孝雄さんと原修子さん(腹膜中皮腫)が参加しました。
  • 8月11日と12日に開催された、がん患者支援団体である「キャンサーネットジャパン」主催のがん関連フォーラム「ジャパンキャンサーフォーラム」に共催して中皮腫セッションを開催しました。
  • 10月28日に堺市主催の「アスベストを考える勉強会」では「協力団体」として参加しました。
  • 11月の中皮腫サポートキャラバン隊の独立を確認し、今後の活動においてそれぞれの立場を尊重しながら連携していくことを確認しました。
  • 2月16日に国立がん研究センターで、同センター希少がんセンターと共催し、中皮腫サポートキャラバン隊とともに中皮腫セミナー「これからの中皮腫の話をしよう」を開催しました。
  • 全国事務局、役員会、役員研修会を開催し、支部が抱える課題の共有化を図りました。2月23日、24日に役員研修会・役員会を大阪で開催し、非役員の方の参加も促し、「患者と家族が求める補償・救済制度」について議論するとともに、支部運営への支援強化や活動への理解促進をはかりました。
  • 建設アスベスト訴訟判決に向けて署名活動や傍聴、判決後の企業要請行動において支援してきました。
  • 韓国やスペインで海外の被害者団体等との交流を図りました。いずれも、中皮腫患者の方々が参加した初めての海外交流事業でした。

5 相談活動

  • 本部および支部事務局による日常的な相談活動のほか、12月23・24日には各地でアスベスト訴訟などに取り組む弁護団や支援団体などと連携して、アスベスト被害救済ホットラインを開催するなどして、国家賠償の対象者の掘り起こしなどを図りました。これらの取り組みで全国から約200件の相談が寄せられました。

6 その他

  • 昨年9月16日の第15回総会で、組織運営の正常化を図り、新たな役員体制のもとで活動を再スタートしました。民主的で開かれた組織運営を心がけ、世話人に全国事務局会議を傍聴してもらうとともに、会計管理の強化に取り組みました。
  • 支部や会員の活動の「記憶と記録」を大切にしていくため、写真や動画による撮影を進めました。
  • 2018年12月には、「中皮腫サポートキャラバン隊」が当会から分離・独立し、独自の活動を行っていくことを受け入れ、「中皮腫患者のピアサポートに特化した新たなキャラバン隊の活動に注目するとともに、今後も協力関係をもちがなら取り組みを進めていきたい」旨の確認を会長名で会員に通知しました。

2019年度 活動方針

 今年度は、次のような活動を行います。

1 石綿対策基本法の要求と「格差とすきまない救済」の実現

  • 省庁との交渉や国会議員への陳情による要求の実現とともに、石綿救済法の抜本改正など立法による制度改正をめざします。具体的な要求は、救済給付の遺族年金創設・療養手当増額、中皮腫の救済給付通院費支給、労災給付基礎日額の低額是正、労災時効救済制度の延長、肺がん認定・判定基準の改正、救済給付指定疾病への「石綿肺合併症」追加、被害者救済の推進機構設置などです。

2 中皮腫の治療法の研究開発・ケアの充実

  • 中皮腫などの治療法や緩和ケアの充実の為、治験情報の網羅的・公正な情報提供の整備など政策的・財政的な対応を国に求めます。また、必要な研究等にも協力をしていきます。

3 会員を含む被災者・家族への情報伝達

  • ホームページと会報を充実させ、各支部の紹介・報告を積極的に行います。療養中の方の情報発信・患者交流をさらに図っていきます。

4 交流と支部活動

  • 患者と家族・遺族の交流を進めます。定期的に支部活動を行い、会の目的を実行します。
  • がん患者を支援する団体等と連携し、正確かつ積極的な情報発信ができるよう努めます。

5 会議と他団体との交流

  • 役員会・役員研修会を開催し、中皮腫サポートキャラバン隊と連携して運動を発展させます。
  • がん患者支援団体である「キャンサーネットジャパン」主催のがん関連フォーラムに共催して「中皮腫」セッションを開催します。

6 相談活動

  • 未組織地域での相談活動や年末ホットラインに継続して取り組みます。相談活動の工夫した周知が相談件数の増加と結びついていることは、各種ホットラインの昨年度の経験から明らかです。アスベスト被害者救済に取り組む個人や団体と最大限の協力・連携を図り、切れ目のない相談の継続と報道関係者への周知を徹底していきます。

7 その他

  • 支部や会員の活動の「記憶と記録」を大切にしていくため、写真や動画による撮影を進めていきます。

会員数(4月26日現在)

個人正 743人 個人賛助 169人 団体賛助 12団体

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