2017年度の活動報告と
2018年度の活動方針

2017年度 活動報告

2017年度の活動と成果は、次のとおりです。

1 石綿対策基本法の要求、「格差とすきまない救済」の実現

  • 被災者・家族の救済について(石綿救済給付の遺族年金創設や肺がん判定基準の緩和など)、環境省のみの議論では壁に突き当たり、関係省庁などを横断した形での基本法などの枠組みの必要性を痛感しました。
  • 中央環境審議会石綿健康被害救済小委員会の答申を受け、「石綿健康被害救済制度認定者の介護等の実態調査に関する検討会」が設置され、古川和子全国事務局員が委員として参画し、調査設計・調査結果に対して意見しました。調査実施主体の環境再生保全機構から調査結果が公表されました。
  • 斉藤和子さん(胸膜中皮腫)の被害の原因であった建物経由の被害について確認し、全国の建物に使用されてきた石綿の問題をNHKと共同調査し、放送等を通じて危険性を呼びかけるとともに、被害の掘り起こしを促しました。
  • 2017年7月14日に厚生労働省・環境省との省庁交渉を実施するなど、石綿健康被害救済法の給付見直し、中皮腫治療に関わる労災通院費の支給の運用や給付日額の決定方法の改善など、課題ごとの改善を求めました。6月26日に定年後の再雇用以降に石綿関連疾患を発症した場合の取り扱いにかかる事務連絡(定年退職後同一企業に再雇用された労働者が再雇用後に石綿関連疾患等の遅発性疾病を発症した場合の給付基礎日額の算定について)、10月31日に中皮腫の労災通院費にかかる新たな事務連絡(中皮腫の診療のための通院費の支給に当たって留意すべき事項の徹底について)が出され一定の改善が図られました。2018年3月23日の全国労働安全衛生センターの厚生労働省交渉に参加して、引き続きその他の課題の要求をしています。また、超党派の国会議員への陳情などを通じ、上記要求の実現をはかりました。
  • 泉南アスベスト国家賠償請求訴訟最高裁判決を踏まえた同様の被害者への国の賠償を促進させるため、2017年5月19日に泉南訴訟の元原告やその他地域の和解した原告や関係者らと共同で、該当しうる労災認定者へ個別に通知をするよう要請しました。同年10月より個別周知が開始されました。
  • 2017年8月24日に「肺がん認定基準改正推進戦略会議」を設置し、労災制度の肺がん認定基準改正を提言するための議論を開始しました。

2 中皮腫の治療法の研究開発、ケアの充実

  • 会報・会合などを通じ、情報収集・発信につとめました。2018年1月10日、前年12月に小野薬品株式会社が胸膜中皮腫の治療薬として承認申請をしたオプジーボの早期承認を、日本肺がん学会と日本肺がん患者連絡会との連名の要望書を厚生労働省に提出する形で求めました。

3 会員等への情報伝達

  • ホームページの更新、会報の発行を行いました。
  • 編集会議、医療関係の相談役会議をひらき、会報の充実をはかりました。
  • 泉南訴訟の取り組みを追ったドキュメンタリー映画が2018年2月下旬より開始され、広く鑑賞を呼びかけました。

4 交流と支部活動

  • 「集い」や「交流会」など、支部を中心に交流しました。
  • 「中皮腫・サポートキャラバン隊」などによる、支部を横断した形での集いや交流を支援しました。
  • 2017年4月、広島・山口支部を「広島支部」と「山口支部」に発展させました。6月に福岡支部を結成しました。11月には新潟支部を結成しました。

5 会議と他団体との交流

  • 全国事務局、役員会、役員研修会を開催し、支部が抱える課題の共有化を図りました。2月24日、25日に役員研修会
  • 役員会を横浜で開催し、非役員の方の参加も促し、支部運営への支援強化や活動への理解促進をはかりました。
  • 7月4日から9日にかけて、英国の患者・被害者団体の経験を学ぶため、各地の会員で代表団を組織して「メゾテリオーマ・デー」を中心とした行事開催時期に派遣をし、交流をしました。2018年1月に報告書を発行しました。
  • がん患者支援団体である「キャンサーネットジャパン」主催のがん関連フォーラムに共催して「中皮腫」セッションを開催しました。
  • 建設アスベスト訴訟判決に向けて署名活動や傍聴、判決後の企業要請行動において支援してきました。

6 相談活動

  • 本部および支部事務局による日常的な相談活動のほか、2017年5月20日、6月13・14日(建物被害ホットライン)、10月4・5日、12月21・22日には「中皮腫・じん肺・アスベストセンター」や「全国労働安全衛生センター連絡会議」、各地でアスベスト訴訟などに取り組む弁護団や支援団体などと連携して、アスベスト被害救済ホットラインを開催するなどして、国家賠償の対象者の掘り起こしなどを図りました。これらの取り組みで全国から約2000件(うち、約1000件は6月の建物被害ホットライン関連)の相談が寄せられました。

7 その他

  • 支部や会員の活動の「記憶と記録」を大切にしていくため、写真や動画による撮影を進めました。

2018年度 活動方針

今年度は、次のような活動を行います。

1 石綿対策基本法の要求と「格差とすきまない救済」の実現

  • 省庁との交渉や国会議員への陳情による要求の実現とともに、石綿救済法の抜本改正など立法による制度改正をめざします。具体的な要求は、救済給付の遺族年金創設・療養手当増額、中皮腫の救済給付通院費支給、労災給付基礎日額の低額是正、労災時効救済制度の延長、肺がん認定・判定基準の改正、救済給付指定疾病への「石綿肺合併症」追加、被害者救済の推進機構設置などです。
  • 環境再生保全機構が取りまとめた「石綿健康被害救済制度認定者の介護等の実態調査」の結果にもとづき、制度改正とそのための議論の場を求めていきます。

2 中皮腫の治療法の研究開発・ケアの充実

  • オプジーボの1日でも早い早期承認を厚生労働省に求めます。
  • 中皮腫などの治療法や緩和ケアの充実の為、治験情報の網羅的・公正な情報提供の整備など政策的・財政的な対応を国に求めます。また、必要な研究等にも協力をしていきます。

3 会員を含む被災者・家族への情報伝達

  • ホームページと会報を充実させます。療養中の方の情報発信によって間接的な部分での患者交流をさらに図っていきます。
  • 各支部にインターネット担当者をおき、随時行事予定と事後報告を更新します。
  • 関東支部の栗田英司さんの闘病記と中皮腫長期療養者へのインタビューをまとめた書籍発行を支援します。

4 交流と支部活動

  • 患者と家族の交流を進めます。定期的に支部活動を行い、会の目的を実行します。
  • 長野支部を結成します。会の拡大強化をはかり、さらに支部の結成をめざします。
  • 福岡支部の事務所を開設し、九州地域の相談・支援体制を整えます。2年間の事務所維持費として350万円を「すき間ない救済と対策を目指す基金」から計上します。
  • 「中皮腫・サポートキャラバン隊」を規約第14条の機関とし、支部の枠に捉われない、患者・家族のニーズに合わせた会合の開催を促進・支援していきます。
  • 海外の被災者団体との経験交流を実施します。
  • がん患者を支援する団体と連携し、正確かつ積極的な情報発信ができるよう努めます。

5 会議と他団体との交流

  • 全国事務局を開催し、支部に報告します。
  • 役員会・役員研修会を開催して、運動を発展させます。
  • 日本肺癌学会から毎年発表されている「肺癌診療ガイドライン」の中に収められている、「悪性胸膜中皮腫診療ガイドライン」の改定作業に参画し、当事者の視点から提言をしていきます。
  • 日本希少がん患者会ネットワークに参加し、中皮腫を含め希少がん全体の治療法確立を推進させます。
  • がん患者支援団体である「キャンサーネットジャパン」主催のがん関連フォーラムに共催して「中皮腫」セッションを開催します。

6 相談活動

  • 未組織地域での相談活動や年末ホットラインに継続して取り組みます。相談活動の工夫した周知が相談件数の増加と結びついていることは、各種ホットラインの昨年度の経験から明らかです。アスベスト被害者救済に取り組む個人や団体と最大限の協力・連携を図り、切れ目のない相談の継続と報道関係者への周知を徹底していきます。

7 その他

  • 支部や会員の活動の「記憶と記録」を大切にしていくため、写真や動画による撮影を進めていきます。
  • 関東支部・栗田英司さんと関西支部・右田孝雄さんに専従事務局として、ピアサポート活動をはじめとする業務全般に対する支援・協力業務の充実をはかります。一人当たり月額13万円の業務委託契約を関西労働者安全センターと結びました。年間で312万円を計上しました。

会員数(5月8日現在)

個人正714人 個人賛助185人 団体賛助14団体

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