2016年度の活動報告と
2017年度の活動方針

2016年度 活動報告

2016年度の活動と成果は、次のとおりです。

1 石綿対策基本法の要求、現行制度の改善と「すきまない救済」実現

  • 被災者・家族の救済について(石綿救済給付の遺族年金創設や肺がん鑑定基準の緩和など)、環境省のみの議論では壁に突き当たり、関係省庁などを横断した形での基本法などの枠組みの必要性を痛感しました。
  • 中央環境審議会石綿健康被害救済小委員会に、当事者代表の委員として古川会長が入り、「石綿健康被害救済制度の施行状況及び今後の方向性について」(答申)の取りまとめに参画しました。答申では、石綿健康被害救済制度被認定者などの介護等の実態調査の必要性などが提言されました。
  • 2017年5月、厚生労働省・環境省との省庁交渉を実施して、石綿健康被害救済法の給付見直し、中皮腫治療に関わる労災通院費の支給の運用や給付日額の決定方法の改善など、課題ごとの改善を求めました。2017年3月、全国労働安全衛生センターの厚生労働省交渉に参加して、引き続き同様の要求をしています。また、超党派の国会議員への陳情などを通じ、上記要求の実現をはかりました。
  • 労災給付基礎日額の低額問題では、再雇用後の低額ではなく定年時の平均賃金とする労働保険審査会の裁決(2016年7月20日付け)をえました。
  • 労災通院費の実態について会員を対象にアンケートを実施して実態の把握に努めました。

2 中皮腫の治療法の研究開発、ケアの充実

  • 会報・会合などを通じ、情報収集・発信につとめました。医療関係者が作成した「胸膜中皮腫ハンドブック」や、「胸膜中皮腫のQOL調査」の研究実施にも協力しました。

3 会員への情報伝達

  • ホームページの更新、会報の発行を行いました。
  • 編集会議、医療関係の相談役会議をひらき、会報の充実をはかりました。

4 交流と支部活動

  • 「集い」や「交流会」など、支部を中心に交流しました。
  • 支部を横断した形での「患者の集い」を支援しました。
  • 2016年12月に山梨支部を結成しました。
  • 2016年7月には支部のない福岡で、集いと相談会を開催しました。

5 会議と他団体との交流

  • 全国事務局、役員会、役員研修会を開催し、支部が抱える課題の共有化を図りました。世話人間でより一層の情報共有をはかるために、メーリングリストを開設しました。
  • ベルギーでエタニット社へ損害賠償請求をしている訴訟の判決へ会員を派遣し、原告や応援にかけつけた周辺各国の被害者や支援関係者と交流しました。
  • がん患者支援団体である「キャンサーネットジャパン」主催のがん関連フォーラムに共催して「中皮腫」セッションを開催しました。
  • 建設アスベスト訴訟判決に向けて署名活動や傍聴、判決後の企業要請行動において支援してきました。
  • 相談役の伊藤明子弁護士を講師に招き、泉南アスベスト訴訟の最高裁判決の意義と現状の提訴状況などを学習する勉強会を泉南アスベストの会などの関係団体と開催しました。
  • 医療ソーシャルワーカー関係者の団体である「東京都医療社会事業協会」が発行する『医療ソーシャルワーク』のアスベスト問題特集の執筆に協力しました。

6 相談活動

  • 本部および支部事務局による日常的な相談活動のほか、9月と12月中旬には「中皮腫・じん肺・アスベストセンター」や「全国労働安全衛生センター連絡会議」、各地でアスベスト訴訟などに取り組む弁護団や支援団体などと連携して、アスベスト被害救済ホットラインを開催するなどして、国家賠償の対象者の掘り起こしなどを図りました。これらの取り組みで全国から約500件の相談が寄せられました。

7 その他

  • 支部や会員の活動の「記憶と記録」を大切にしていくため、写真や動画による撮影を進めました。

2016年度 活動方針

今年度は、次のような活動を行います。

1 石綿対策基本法の要求と「すきまない救済」の実現

  • 石綿健康被害の救済・治療研究・防止を柱とする対策推進法(案)を検討します。
  • 中央環境審議会石綿健康被害救済小委員会の答申を受け、環境省で介護等の実態調査に関わる検討会が始まります。検討会への参画を求め、積極的な意見提言をしていきます。
  • 石綿救済法の給付内容や労災給付基礎日額の低額問題については、石綿がんのような遅発性疾病にかんする抜本的な見直し、中皮腫の労災通院費の広域支給を実現するため、対策推進法(案)や上記の検討会、省庁との交渉や、国会議員への陳情などを通じ、上記要求を実現します。

2 中皮腫の治療法の研究開発・ケアの充実

  • 中皮腫などの治療法や緩和ケアの充実の為、治験情報の網羅的・公正な情報提供の整備など政策的・財政的な対応を国に求めます。また、必要な研究等にも協力をしていきます。

3 会員を含む被災者・家族への情報伝達

  • ホームページと会報を充実させます。療養中の方の情報発信によって間接的な部分での患者交流をさらに図っていきます。
  • 各支部にインターネット担当者をおき、随時行事予定と事後報告を更新します。

4 交流と支部活動

  • 患者と家族の交流を進めます。定期的に支部活動を行い、会の目的を実行します。
  • 会の拡大強化をはかり、新しい支部の結成をめざします。
  • 支部の枠に捉われない、患者・家族のニーズに合わせた会合の開催を促進・支援していきます。
  • 6月10日に「福岡支部」を設立します。その他の地域でも、支部設立を目指します。
  • 海外の被災者団体との経験交流を実施します。今年度は、先行的な活動実績がある英国へ代表団を派遣して、全国的な取り組みである「中皮腫の日」の行動などを視察や活動に関する意見交換をします。
  • がん患者を支援する団体と連携し、正確かつ積極的な情報発信ができるよう努めます。

5 会議と他団体との交流

  • 全国事務局を開催し、支部に報告します。
  • 役員会を開催して、運動を発展させます。

6 相談活動

  • 未組織地域での相談活動や年末ホットラインに継続して取り組みます。相談活動の工夫した周知が相談件数の増加と結びついていることは、各種ホットラインの昨年度の経験から明らかです。アスベスト被害者救済に取り組む個人や団体と最大限の協力・連携を図り、切れ目のない相談の継続と報道関係者への周知を徹底していきます。

7 その他

  • 支部や会員の活動の「記憶と記録」を大切にしていくため、写真や動画による撮影を進めていきます。

会員数(5月10日現在)

個人正 625人 個人賛助 203人 団体賛助 16団体

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