未だ「First Stage」の幕は下りず

武澤 泰

 このアスベストの問題については、大きな課題が多々あります。なぜ何の予告も無く尊い人の命が奪われなければいけないのか? 原因は? 責任は? 治療法は? 今後の対策は? そして、国はなぜ公害と認めないのか?……、これらを解決しない限り私達の無念は、晴れる事がありません。しかし、今最優先にしなければいけない事が、現在闘病中の患者さん、そして一家の大黒柱を亡くされた御家族の方々等、今苦しんでいる方を、早急に救済しなければなりません。これまでに古川さん、飯田さん、片岡さん、そして前田さん、土井さん、早川さん、家族の会の皆さんの力、更に過去からずっと闘い続けて来られた方々の、大きな大きな、土台となる力のおかげで、先ずはクボタとの救済に関する交渉が、異例とも言える早さでまとめる事が出来ました。この度のクボタの救済金制度の決定については、私達患者、家族にとっては"ホッと一息つける"そんな想いがあると思います。そう言った意味では、今回のクボタの救済金制度の決定は、私達患者家族にとって、大きな大きな救いとなりました、ここまで早期にこれだけの救済金制度を決定したクボタに対して評価したいと思います。また、この異例の早期の救済金制度の(訴訟に発展する前に決断)決定は、アスベスト問題のみならず、他の公害訴訟や、それらに類似する出来事にも、大きな影響を与え、今後のこのような問題に対しての、事例となるでしょう。そして今までの、古い常識から、新しい常識へと変化して行く様に思います。国も古い常識にとらわれず、新しい考え方へと切り替える必要があるのではないでしょうか、あーだ、こーだと、理屈を並べるのでなく、すぐ目の前で苦しんでいる人々、人の尊い命を、もっと重く受け止め、変な理屈や古い常識の壁を、ぶちやぶる事は出来ないのでしょうか。そうしないと、クボタの救済金制度を受けられる人は良くても、距離の問題や、他の地域の様に、もう既にその会社が無かったり、小さな企業では支払う体力の無い所もあります、その差を埋めるには国が動くしか無いでしょう。アスベスト問題の犠牲者は、闘病中の患者の苦しみ、家族の苦しみ、皆同じです。

 クボタ同様、一刻も早く、こう言った人達を救済しなければなりません。この3月の新法については、一時的な応急処置なんだと思っています。早急に本当の救済または補償をしていただきたい。私や母は、本来私の弟の無念を晴らしたく、このアスベストの問題と闘う決意でいましたが、この救済金制度の問題が、ファーストステージなら、本来の弟の無念を晴らす闘いは、セカンドステージとなります、本当ならそのセカンドステージに進みたいのですが……まだ、ファーストステージの幕は下りていません。

 国がしっかり動かない限り、闘いは終わらない。なんで、日本の国って、こんなにノロマで頑固でアホなんやろ。

 素直にそう思うんですが……そう思うのは私だけでしょうか?

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