アスベストのない社会を!
尼崎宣言2007

 2005年6月29日、クボタ旧神崎工場内で多数のアスベスト被害が発生しているだけではなく、工場周辺でも3名の中皮腫患者と2名の死亡者が確認され、クボタが周辺被害者に見舞金を支払う方向であることが明るみになりました。3名の患者が勇気と確信を持って肉声で社会に訴えたのです。これを起点として泉南で、羽島で、奈良で、横浜で、そして日本中のアスベスト被害者と家族が病気の原因に気づき、怒り、正当な補償・救済と対策を企業と政府に求めて立ち上がりました。

 尼崎では中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会と尼崎労働者安全衛生センターが中心となり、多くの中皮腫等患者、家族からの相談に懸命に対応するとともに、専門家に疫学調査を委託し因果関係の究明に努力しました。その結果、工場とその周辺における中皮腫多発との因果関係が明らかにされ、結成された患者と家族の会尼崎支部はクボタに謝罪と補償を求めました。これに対してクボタは、社長が患者と家族に直接謝罪し、交渉ののち裁判を経ることなく早期に被害者に対する「救済金制度」をスタートさせました。現在までに、療養中の28名を含む156名がクボタに書類を提出し、135名に救済金が支払われましたが、残念ながら今後も被害者は増加していくとみられます。「患者の治療とケアの向上」「救済範囲の拡大(距離、居住期間等)」「新法で認定されにくい肺がんの救済」「患者家族、周辺住民への健康管理・支援対策」「工場内外の疫学調査等の全容解明作業」が私たちに課せられた当面の課題です。

 本日、私たちは「クボタショックから2年 写真と報告でつづるアスベスト被害尼崎集会」を開催しました。集会では、こうした2年間の取り組みと成果を報告し、今後の課題を話し合いました。さらに、各地の被害者・住民団体、専門家から貴重な報告をいただき、有意義な交流をもつ中で、すべてのアスベスト被害者の連帯を発展させていくことの重要性を確認しました。このたびJR尼崎駅前に設置した尼崎労働者安全衛生センターと患者と家族の会の共同事務所を、運動と連帯のための拠点として活用していきます。

 クボタショック2年を経た今、

  1. 中皮腫などのアスベスト疾患の早期発見・治療方法の改善・ケアの充実
  2. アスベスト新法の即時見直し、すべてのアスベスト被害者への格差と隙間のない救済
  3. 解体、改修などにおける既存アスベスト対策の強化
  4. 労災認定事業場名の公表をはじめとする徹底した情報公開
  5. 日本、アジア、世界のアスベスト全面禁止
  6. アジア、世界のアスベスト被害者、アスベスト禁止運動との連帯

 が私たちの共通の課題であることを本集会でも確認しました。

 すべての被害者、支援団体の連帯を進め、アスベスト問題における政府と企業の責任を様々な手段で追及し、格差と隙間のない補償・救済、そしてアスベストのない社会を実現するために全力を尽くしていくことを、ここに宣言します。

2007年7月1日

クボタショックから2年
写真と報告でつづるアスベスト被害尼崎集会

Copyright © 2004-2016 JAMARDVF. All rights reserved.