切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫に対する ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)と化学療法との併用療法の早期承認と 「中皮腫を治る病気」にするための治療法確立に向けた支援を求める要望書を提出
公開日:2024年7月4日
本日、NPO法人中皮腫サポートキャラバン隊との連名で厚生労働大臣および環境大臣に対して、「切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫に対するペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)と化学療法との併用療法の早期承認と「中皮腫を治る病気」にするための治療法確立に向けた支援を求める要望書」を提出しましたのでご報告致します。
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2024年7月5日
厚生労働大臣 武見敬三 様
環境大臣 伊藤信太郎 様
特定非営利活動法人 中皮腫サポートキャラバン隊
理事長 平田勝久
中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会
会長 小菅千恵子
切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫に対する
ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)と化学療法との併用療法の早期承認と
「中皮腫を治る病気」にするための治療法確立に向けた支援を求める要望書
わが国における悪性中皮腫の年間死亡者数は過去ほぼ一貫して増加し続け、現在では1500人程度となっています。
胸膜を含む悪性中皮腫は、診断・治療ともに困難な疾患であり予後も不良です。一部の症例では手術を中心とした集学的治療が施されますが、 多くの症例で手術は困難であり、手術症例の多くが再発をきたしています。
承認されている一次治療としては、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)とイピリムマブ(商品名:ヤーボイ)の併用療法やその他の化学療法、二次治療としてはニボルマブ単剤療法などがありますが、選択肢が極めて限られている状況です。
2024年7月1日、MSD株式会社は、抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)について、切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫に対する化学療法との併用で、製造販売承認事項一部変更承認申請したことを発表しました。
いま、この瞬間も選択できる治療が尽きて、苦痛と不安の中で明日の見えない闘いを強いられる患者が多数存在する現実があります。悪性胸膜中皮腫に対して、早期に当該治療薬の承認をして頂きますよう要望します。
そして、今回の承認申請への迅速な対応に止まらず、アスベストがもたらした国民的災厄とも言うべき「中皮腫」を「治る病気」にするために今こそ国をあげて取り組むべきです。そのためにまず可及的すみやかに、①中皮腫独自の臨床試験および基礎研究への支援強化、②国と関係学会等が連携した中皮腫登録事業の確立、を行うよう強く要請します。
以上。