一般社団法人日本経済団体連合会に「石綿健康被害救済基金の治療研究への活用への協力を求める要望書」を提出
公開日:2024年7月5日
本日、2024年7月5日、一般社団法人日本経済団体連合会に「石綿健康被害救済基金の治療研究への活用への協力を求める要望書」を提出しました。私たちは引き続き、「中皮腫を治せる病気にする」ためにひろく関係者へ協力を求めていきます。
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2024年7月5日
一般社団法人 日本経済団体連合会
会長 十倉雅和 様
中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会
会長 小菅千恵子
石綿健康被害救済基金の治療研究への活用への協力を求める要望書
私どもはアスベスト(石綿)による健康被害を被った患者・家族で構成している団体です。中皮腫などのアスベスト関連疾患に罹患した患者と家族に対して医療関連情報の提供や公的支援制度の申請支援、交流の場の提供などを通じて支援に取り組んでいます。
また、国に対しては被害者の「命の救済」のための治療研究支援の強化や救済・補償制度の見直しなどの要望を続けています。
2022年5月から2023年6月にかけて、中央環境審議会環境保健部会石綿健康被害救済小委員会において、委員として参画していた当会の関係者から残高が約800億円となっている石綿健康被害救済基金(以下、基金)の中皮腫をはじめとするアスベスト関連疾患の治療研究の支援に活用することを提案させて頂きました。しかし、残念ながら経済界を代表する形で貴会から参画された委員からは強く反対が示されたことで、上記小委員会の報告書において基金からの治療研究の活用について提言するには至りませんでした。
アスベストは古くから健康被害が指摘されていながら、国が十分な規制をせず、健康被害の警告を無視した一部のアスベスト関連企業が警告を無視して販売や使用を続け、多くの企業もその恩恵を受けてきました。一方で、私たち患者・家族はアスベスト利用に伴って発生した健康被害の犠牲者です。
歴史的な経過を踏まえれば、貴会をはじめとする経済界が被害者の命を助けるために可能な限りの協力をする責務があると考えます。従いまして、以下、要望致します。
記
1 基金(これまでに生じた15億円以上の運用益の活用を含む)を治療研究支援に活用できるように環境省をはじめとする国の関係機関に要望すること。
2 1の要望が難しい場合は、同基金の拠出企業に年間に100円の追加拠出のご協力をいただければ、私たちが求める「年間3億円程度の支援」を実施することが可能であることから、関係企業に理解を求めて基金への新たな拠出枠組みにおける治療研究支援の仕組みを環境省をはじめとする国の関係機関に要望すること。