家族の知っておく大事な事
(質問) 病院や医師との対応は、どうすれば良いのでしょうか?
(答) 自分たちが知りたいと思ったことは、きちんと時間の予約を取り面談を希望し、聞いてみることです。忙しそうだからとか、こんなことを聞いたら機嫌を損ねるのではないかとか遠慮せずに、問題を整理し、メモを箇条書きにするなりしてきちんと聞いていきましょう。躊躇しているうちに病状が進んでしまうこともあります。なかなか勇気が涌かないときは相談に乗ってくれる人を病院内に見つけることも必要です。
医療相談室のソーシャルワーカーさんや看護師さんも医師には聞きにくい時に、間に入ってくれることもあります。セカンドオピニオンを求める為に情報提供して欲しいときもしかりです。医師との関係で悩んでいる時に「患者と家族の会」は、経験を踏まえて相談にのってくれます。
(質問) 父の闘病時、近くにはまだホスピスがなかったので在宅ホスピスケアを紹介されたのです。その時は知識もなく精神的に大変な時だったので、なかなか判断がつかず時期を逃してしまい、結局公立病院で最後まで過ごすことになり、ひとつの後悔になっています。もっと早くから知識があれば、事前に本人とどうするか話し合って、すばやく行動に移せたのではと思うのですが・・・。
(答) 在宅ホスピスの選択は、イメージがつきにくいために、せっかくのチャンスを踏み切れないまま病院だった場合は難しいですね。どちらにするか決めかねる場合は、だめもとでもいいですので、近くの在宅ホスピスに取り組んでいる訪問看護に相談するのが早道かもしれません。経験豊富な訪問看護師はそれぞれの状況に合わせて訪問診療してくれる在宅医の紹介もしてくれると思います。
日頃から、病院が安心なのか、家で過ごしたいと思っているのかを聞いておくのも一案ですが、ホスピスは建物ではない、理念だといわれます。たとえ病院であっても、十分な緩和ケアを行なってもらえるように働きかけることは出来ます。自分たちが、愛する家族のためにどう看取りたいかを、きちんと表明することが、どんな場所でも必要なのではないでしょうか。
(質問) 本人との接し方ですが、家族は何をした方が良く、何はしてはいけないのでしょうか?
(答) 一人ひとり違うので、お答えしにくいですが、明らかな気休めに似た「絶対治るから、がんばれ。」というのは、お互いにつらくなるばかりのことがあります。
家族のためにがんばってきたのに頑張れない自分がいるのも、病人にとって悲しいことです。良くなって欲しい気持ちは、最期まであるのだけれども、やっぱりこの病気の勢いにはかなわないところがあって、その辛さを一緒に担いながら、「今」生きている時間を大切にしていこう!少しでも、楽になる手立てを講じよう、体の向きを変えながら、これまでの人生の中で大変だったけれど、輝いていた時期の話を聞いておこう、楽しいことだけではない悔しいことも聞いておこう、あなたと過ごす時間の密度は、たとえ残り少なくても、大切な時間だということを、伝えられたらいいのではないだろうかと思います。最期まで、喧嘩ばっかりのご夫婦がおられました。でも、それでよかったといいます。子供には何にも言わなかったお父さんがおられます。でも、奥さんであるお母さんには、ちゃんと言いおいていました。
振り返ると、誰しもが、ああすればよかったと反省することばかりですが、ともに病気と闘ったその一とき一ときが、今思えば、宝物ではないでしょうか?誰もが予想しなかったこの病気の経過です。あれでよかったと肯定できるように、そのときを共に歩むものとして、精いっぱい生きるしかない、ように思います。そういう意味でも、現在進行形の方は、是非、相談する先を身近に見つけてください。
(質問) 家族・患者のメンタルケアですが、どこに相談してどのようにしたら良いか?
(答) 信頼できる医師・看護師・ソーシャルワーカー・労災担当の相談員・患者と家族の会など、必要時には臨床心理士や精神科医などにも相談することが出来ます。個別の状況が違うので、それぞれに応じて相談先を見つけるしかありません。各地に出来てきている「患者と家族の会」は、頼りになる存在です。
家族を亡くした後、どうしても精神的な立ち直りが難しい場合は、「生と死を考える会」などで計画されている「遺族の会」などに参加してみるのも一つの方法でしょう。
